~業務負担の大幅軽減と点検品質の向上に貢献~

ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、 代表取締役社長:熊田 貴之、 以下 ブルーイノベーション)は、株式会社東日本テクノサーベイ(以下 東日本テクノサーベイ)が屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」※1を導入し、点検作業時間を大幅に短縮することに成功したことを発表した。ELIOS 3は、作業時間の短縮だけでなく、作業員の業務負担軽減や安全確保、さらには点検品質の向上・仮設費用の削減にも貢献可能だ。

■ ELIOS 3導入の背景

近年、インフラ施設の点検作業において、作業員の高齢化に伴う人材不足と、技術継承が喫緊の課題となっている。特に、長年の経験とノウハウを持つベテラン作業員の引退や設備の老朽化が相次ぐ中で、少数の作業員で効率的な点検を実現することが求められている。

この課題に対し、東北電力グループである東日本テクノサーベイは、ドローンをはじめとする様々な技術を活用し、作業効率の向上や作業環境の改善に取り組んでいる。

同社では、ELIOSシリーズの最新機種であるELIOS 3の効果を検証した結果、その抜群の飛行安定性と操作性の良さにより、飛行経験の浅い操縦者でも十分に点検作業を遂行できると判断され、導入に至った。

■ ELIOS 3導入による成果

同社では、ELIOS 3の導入により、水力発電所や火力発電所における点検作業の効率化と安全性の向上を実現した。

①   水力発電所の水路内点検

従来、水力発電所の水路内点検は、人が直接水路に入り目視により行われているが、水路によっては急傾斜や暗所、狭所等を有する現場も多く、100m程度の点検を行うのに丸1日かかる個所もある。このため、作業員の安全面でのリスクや業務負担、作業員による点検精度のバラつきや変状個所の見落とし等が大きな課題であった。

今回ELIOS 3の導入により、このような現場の点検作業時間がわずか1時間程度と大幅に短縮された。さらに、作業員が暗くて狭い水路内に入る必要がなくなり、作業環境や安全性が大幅に向上した。また、付属ソフト「Inspector」によるデータ化(3次元点群データ)により、点検品質も従来に比べ一層向上した。

② 火力発電所内での緊急点検

火力発電所では、地震発生後の緊急点検においてELIOS 3が活躍した。従来、大きな地震発生後には設備内に仮設足場を設置し、人による目視点検を行うが、通常運転できるまでに仮設の設置・撤去を含め2~3週間の点検期間を要し、かつ数百万円の仮設費用がかかっていた。しかし、ELIOS 3を使用することにより、たった1日で点検が完了し、大幅な時間短縮と仮設費用の削減を実現した。

■株式会社東日本テクノサーベイ ご担当者様のコメント

設備の定期点検や緊急点検等でELIOS 3を活用し、工期短縮や仮設費用削減など目に見える形で成果を上げています。また、ELIOS 3に搭載されているLiDAR※2により点群データが取得されるため、複雑 な設備の形状把握などの面でもお客様に大変喜ばれています。今後もドローン等の新技術を活用し、インフラ設備の持続可能性を支えるための取り組みを続けてまいります。また、測量ペイロード※3・UT検査ペイロード※4といった魅力的な追加ツールが発表されましたが、今後もユニークなペイロードオプションの追加に期待しています。

(株式会社東日本テクノサーベイ 測量計測部 副長 今野 雄介氏)

■ 株式会社東日本テクノサーベイについて

東日本テクノサーベイは、東北電力グループの一員として、電力設備の計画・保守に係わる測量調査ならびに水門扉・水圧鉄管等の鋼構造物やコンクリート基礎等の既設構造物の健全性調査等に携わることにより、電力の安定供給に寄与している。
https://www.hts.tohoku-epco-gnw.jp/

※1 屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」
ELIOS 3は、 Flyability 社(スイス)が開発した非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種。世界初の3Dマッピング用LiDARセンサーを搭載。点検・施設情報をリアルタイムで3Dデータ化し、位置特定が可能。また、最新のSLAM技術により操作性・安定性も大幅に向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現している。ブルーイノベーションは2018年に日本における独占販売契約を Flyability社と締結し、ELIOS シリーズを活用した点検ソリューション「BEPインスペクション」の提供を開始した。

「BEPインスペクション」は、ドローン点検の現場の運用サポート、機体の提供だけでなく、ドローン導入時の講習やパイロット育成のための教育ソリューションなども提供しており、プラントや発電所、下水道などを中心に300ヶ所を超える現場での実績がある(https://blue-i.co.jp/inspection/ )。

また、ブルーイノベーションはドローンを活用したソリューションを点検以外の分野でも幅広く提供しており、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、被災地での捜索や状況確認などの災害時活動で貢献している(https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240111_1.html )。

※2 LiDAR
「Light Detection And Ranging」の略。レーザー光を照射して、その反射光の情報をもとに対象物までの距離や対象物の形などを計測する測距センサーの一種。

 ※3 測量ペイロード
ELIOS 3に搭載する専用ペイロードの一種で、高精度な点群データを短時間で取得可能な測量デバイス。
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240118.html

※4 UT検査ペイロード
ELIOS 3に搭載する専用ペイロードの一種で、非破壊検査(UT検査|超音波厚さ測定)が可能なUT検査用デバイス。
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240409.html

※記事引用元 ブルーイノベーション リリースより
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240723.html