はじめに

2024年2月現在、日本にはドローンスクールと呼ばれる学校が約1500校、さらに国土交通省が定める国家資格である無人航空機操縦者技能証明の講習をおこなうことができる国土交通省登録の講習機関は600校を超える規模まで成長しています。

ドローンがさまざまなシーンで活躍するようになると、それを操縦や運用する操縦士が必要となります。ドローンスクール自体は2015年くらいから増えてきましたが、ドローンの利用促進や2022年に国家資格が整備されると、ドローンスクールの数は一気に増えていきました。

そこで今回はそんなドローンスクールについて、その基礎を紹介していきたいと思います。これで少しでもドローンやドローンスクールに興味を持った方は、ぜひドローンスクールに通って、ドローンの操縦士を目指してみてはいかがでしょうか?

※国土交通省 無人航空機操縦技能証明等資格制度のWebサイト
https://www.mlit.go.jp/koku/license.html

①ドローンスクールとは?

ドローンスクールはドローンの操縦に必要な知識や操縦スキルを学ぶことができる場所です。ドローンは空を飛ぶ新しいソリューションですが、誰でも簡単に飛ばせるわけではなく、しっかりとドローンスクールを受講して、正しい知識と操縦方法を学ぶことが大切です。ドローンスクールは国土交通省航空局によって講習団体と管理団体の基準が定められており、国土交通省のWebサイトに要件を満たしている団体が公表されています。

②ドローンスクールはどこにどのくらいある?

ドローンが活躍するシーンが増えるに連れて無人航空機操縦士の需要が高まり、それに伴いドローンスクールの数も増加傾向にあります。2024年2月現在、日本全国にドローンスクールは1500校近くあり、北海道から沖縄まで様々な場所に点在しています。

多くのドローンスクールは枠が空いていれば常時受講が可能になっておりますので、受講を計画する場合はWebサイトや電話で問い合わせてみると良いでしょう。

③ドローンスクールで学べること

ドローンスクールではドローンを操縦するのに必要な基本的な知識や操縦のスキルを習得することができます。多くはドローン初心者を対象としており、座学ではドローンの仕組みや航空法の知識などを学びます。また、実技ではドローンの基本的な操縦を学び、ドローンを安全に飛行させることができるように練習を繰り返しおこないます。

また、最近では様々なジャンルに特化したドローンスクールも出現しています。例えば点検業務に特化したスクールや、農薬散布に特化したスクールなどです。そういったスクールでは、基礎的な知識や技能にプラスして、専門的な知識や各領域に特化した操縦訓練などをおこない、スペシャリストの養成に努めています。

④ドローンスクールに通うメリット

ドローンの操縦スキルを身につけるためにドローンスクールに通うことは、いくつものメリットがあります。まず、何と言ってもしっかりとした基礎を身につけることができる点でしょう。ドローンは独学でも飛ばすことはできるかもしれませんが、講師に教えてもらうのに比べて上達の限界があります。また、独学では時間もかかりますし、その間に墜落事故などを引き起こすリスクもあります。そういった点からも正しい操縦スキルをしっかりと教えてもらうことはスクールに通う大きなメリットです。

同時にドローンスクールのではドローンを飛ばす上での法律知識も習得できます。航空法だけでなく、電波法や民法、個人情報保護法など関わりのある法律を覚えることができますので、これもメリットのひとつでしょう。

また、ドローンスクールを通じて仲間ができることも大きなメリットではないでしょうか。横のつながりができることで、情報交換やお互いに上達を目指して切磋琢磨できるなどの利点があります。そういった人脈はその後のドローン人生の財産になって来るはずですので、ぜひ積極的に交流を図りたいところです。

⑤ドローンスクールに通うデメリット

一方デメリットはどうでしょうか?確かにドローンスクールに通うのは学費や時間がかかります。しかし、将来に向けた先行投資だと考えると決してコスパの悪いものではありません。むしろ、しっかりと基礎を身につけることで、将来長くドローン操縦士として活躍できるなら安いものではないでしょうか?そういう意味で、通うことのデメリットはないと言っても差し支えないでしょう。

⑥ドローンスクールの学費は?

ドローンスクールの学費はスクールによって様々ですし、コースや取得を目指す資格によって値段も異なります。一般的に、民間資格で初心者の状態から取得するならば5~10万円程度、国家資格取得のコースならば30万円前後が相場のようです。専門的なコースですと20~40万円となっており、決して安いものではありませんので、自分が必要な資格はどれなのかしっかりと見極めて、受講するようにしましょう。

⑦ドローンスクールで取得できる資格

ドローンスクールでは主に民間資格と国家資格の取得が可能です。このうち、民間資格はドローンスクールが定める民間資格や、各ドローンスクールが登録機関に認定された民間資格を取得することができます。こういった民間資格を取得すると、国土交通省への飛行申請に使用することができたり、国家資格受講時に経験者コースを選ぶことができます。

一方、国家資格は正確には「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」を指し、2022年に法律で制定された新しい資格となります。これらの資格を取得することでカテゴリーIIやカテゴリーIIIのような特定飛行が可能になります。

このように資格を取得することで特別な飛ばし方ができるようになりますが、それ以上に最大のメリットは自身の操縦スキルの証明になることでしょう。資格を取得することで、一定以上の操縦スキルを有していることになりますので、業務にきっと役立つはずです。

⑧ドローンスクールに通うのはどんな人?

ドローンスクールに通う人は様々です。個人でドローンを使った業務に従事している人もいれば、企業から派遣されて資格を取得しに来た人もいます。もちろん、アマチュアの方で資格の取得をされる方もいます。共通して言えることはドローンの操縦をうまくなりたい、安全に飛ばしたい、という気持ちを持った方がほとんどということです。

⑨ドローンスクールの選び方

2024年現在、国内に1500校近くあると言われるドローンスクールですが、選ぶポイントはどういったところにあるでしょうか。以下に挙げていきたいと思います。

・自分が取得したい資格を取り扱っているか
・優れたインストラクターがいるか
・カリキュラムがしっかりとしているか
・座学と実技の場所が近くにあるか
・実技の場所は広く安心して飛ばせる場所か
・卒業後も利用することが可能か

こういった情報はなかなか外には出てこないかもしれませんが、申し込む前にネットで調査したり、直接スクールに問い合わせて確認するのが良いでしょう。決して安い受講料ではありませんので、まずはしっかりと調べることが重要です。

⑩ドローンスクール卒業後は?

ドローンスクールによっては卒業後も利用できたり、コミュニティに入れてもらって情報交換したりすることが可能です。積極的に活用していくのが良いでしょう。というのも、ドローンスクールで学ぶことはドローンの基礎中の基礎のみです。これだけではドローンの仕事はできませんし、さらに練習を重ねて操縦スキルをアップさせることが重要です。また、ただ飛ばすだけでなく、点検や測量といった業務についてはさらに専門的なコースを開講しているドローンスクールに通うことをオススメします。

まとめ

今回はドローンスクールについてその基礎を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?国家資格が制定されてさらに盛り上げるドローンスクール業界ですが、自身に最適なスクールを見つけるためにも、ぜひ今回紹介した点を頭の中に入れておいて頂ければと思います。